CFC症候群に関するページ

Information about the CFC (Cardio-Facio-Cutaneous) syndrome

第4回ヌーナン症候群シンポジウム・第5回コステロ症候群・CFC症候群シンポジウム合同シンポジウム

   

第4回ヌーナン症候群シンポジウム

第5回コステロ症候群・CFC症候群シンポジウム

合同シンポジウム

 

日時:平成29年11月26日 14:00~16:00

場所:KOKUYO HALL多目的ホール

 

14:00 開会(東北大学 青木洋子)

 

子どもの写真などが出てくるので撮影はご遠慮いただきたいとのこと

そのかわり,

 

 

14:05 開会のあいさつ(国立成育医療研究センター 松原洋一)

 

それぞれ第1回は松原先生が主体となって運営された.

徐々に人が増えている.運営側としても勉強させていただく場でもある.

 

 

14:40 研究班の活動報告(東北大学 青木洋子)

 

ヌーナン症候群と類縁疾患は似通っている

  • ヌーナン症候群
  • ヌーナン様症候群
  • 多発黒子をともなうヌーナン症候群
  • コステロ症候群
  • CFC症候群

臨床的に診断がつくような症候群.症状と遺伝子診断により判断される.

 

RAS/MAPK症候群(アメリカではラソパシーと呼ばれる):

刺激の伝わり方(伝言ゲーム)における経路に変化がある

 

細胞内シグナル伝達以上による先天性疾患の新しい治療に関する研究に取り組んでいる

 

目的①:RAS/MAPK症候群患者さんの遺伝子診断と新しい現認遺伝子の特定

 

  • ヌーナン症候群:欧米では1000~2500人にひとり(日本では1万人に1人程度,2009年553人)
  • コステロ症候群:129万人に1人(2009年),イギリスは38万人に1人(未発表)
  • CFC症候群:81万人に1人(2009年),イギリスは15万人に1人(未発表)
  • (成人が含まれていない)

 

年を経るごとに増えている.技術の進歩により,診断がつくことによって増えていっているのかな.

原因遺伝子による症状の違いが判りつつある(低身長,肥大型心筋症,肺動脈狭窄)

必ずしも当てはまるわけではない.

 

最近見つかった新しい原因遺伝子

2015年SOS2,LZTR1,2016年 PPP1CB(ヌーナン症候群)

技術の進歩により原因遺伝子が少しずつ明らかになっている.

 

モデルマウスを作製しなぜ症状がでるか,どんな薬が効くかを調べている

2013年はCFC症候群モデルマウス作製

2017年はコステロ症候群モデルマウス作製

マウスベースの実験により,薬の検証を行っていく予定.

今後,皮膚症状の実態調査を企画しており,それに適した薬を実現したい

 

アメリカの国際会議に加え,インドで今年初めてアジアでのラソパシーに関する国際会議が実施される(First International Conference on RASopathies in Asia.明日から)

 

130人を超える参加者

 

 

14:20 トータルサポートについて(埼玉県立小児医療センター遺伝科 大橋博文)

 

中央たる治療,療育(医療),地域・社会資源を含めたトータルのサポートが重要.

ヌーナン症候群に関して様々な症状:低身長と心疾患が主体だが,様々な合併症

 

  • 近視はピントが合うが,遠視はピントが合わない.内斜視の場合は,ピントが合いにくいため弱視になっていきがち.4~5歳くらいまでに視力が発達し終わる.光の入力が脳に伝わらないと発達が不十分になってしまう.
  • 滲出性中耳炎(急性中耳炎後に起こる中耳に浸出液がくるもの).中耳炎については特に気を付けていく必要がある.
  • 外反扁平足: 足のせいで,間接に負担がきたり,疲れやすくなったりする.中敷をいれたり,足底装具を使っていくことによって対応していく
  • 脊椎側引攣(したが弓): 経過観察.コルセットを入れたり,手術をしたりしていく.

 

先天性疾患の発見と対応: 心臓,腎異常

今後の合併症への注意: 思春期以降は心理的な面への注意も必要

合併症の予防(歯科)

 

様々な健康管理上の留意点が存在している(スライド)

 

療育には,運動面に関する理学療法,手を使って遊んだり日常生活などに関する作業療法,発達遅滞や言語指導に関する言語聴覚両方,発達評価とカウンセリングに関する心理支援などがある

乳児,幼児,学童などにそれぞれのタイミングに合わせて実施していく

 

社会福祉資源は自己申請制なので知っておく必要がある.

医療費助成,手帳,手当,療育の場,家族生活支援,セルフサポートグループ

 

乳幼児医療: 市町村によって違うが,生まれてから中学校卒業までは負担がかからない

自立支援医療(育成医療 ~18歳,更生医療 18歳~): 入院費・補装具を女性

高額療養費支給制度: たくさんかかった場合には

重度心身障碍者医療費助成: 外来通院費,入院費の自己負担金の女性

小児慢性特定疾患・指定難病: 14疾患群(722疾病).医療費助成.市町村によっては見舞金などが出る場合もある.食事療養費標準負担額の半額補助.ただし対象基準あり(ヌーナン症候群,CFC・コステロ症候群ともに,基準をしっかりチェック.つまり,この基準に合致しない場合は申請しても却下されるため,手間がかかるだけかも)

指定難病: 330疾患.ヌーナン症候群類縁疾患は対象.

 

手帳制度: 身体障害手帳,療育手帳.手業取得で得られる様々なサービスがある.通行料の割引,税金の控除,タクシー利用料金(年額上限あり)の補助など

 

手当(所得制限あり): 特別児童扶養手当,障碍児福祉手当,特別障碍者手当,在宅重度心身障碍者手当

 

障害年金: 20歳の誕生日以降.1級で年額974,125円,2級は月額で79,300円

必要書類: 診断書,受信状況等証明書,病歴・就労状況等申立書等が必要(書くのは家族・医者ともに大変だけれど人生を左右するので重要)

 

不備があるとなかなか認められない.

カルテは捨てられてしまう可能性もあるので,今のうちに,徐々にメモできことはしっかり残しておくこと!!!

 

時期別のトータルサポート留意点:

0~1歳:

1~3歳: 特別児童扶養手当は1歳ごろに考える.3歳になると療育手帳を考える

3~6歳: 通園で集団生活の経験.認知・行動・発達特性の理解と支援(埼玉県立小児医療センターでは心理テストが1年待ちだとか)

学童期~: 就学,放課後などデイサービス,余暇活動

思春期~: 心理的ケア.本人への病気の説明もここらへんで.障害者年金(20歳)

そのほか: 小児慢性特定疾患,指定難病

 

ぜんち共済株式会社: あんしん保険(知的障害・発達障害・ダウン症・てんかんのあるひとのための総合保険)

背後からの急な呼びかけで驚いてほかの人にけがを負わせる,自転車でケガを負わせる,だまされる,パワハラなどの被害にあうといった点について,弁護士によるバックアップがある(月額1600円~4000円)

 

「親心の記録」: 支援する親がなくなったときに親以外がサポートするための仕組み(あとで検索して書く)

本人のこと,医療情報,医療機関,1週間の生活スタイル,日常生活の様子など

 

相談する窓口がある: 保健所,保健センター,***

困ったら通院している病院の相談室(ソーシャルワーカー)に相談してみる

友達の情報も貴重!!!(ここは家族会を使ってもらえれば)

 

2歳のヌーナン症候群の子について: 心身の不安は思春期にあるということが知られている.

11歳のヌーナン症候群(男の子): 気分障害・不安障害について手帳をもらった方が良いのか? 精神保健福祉手帳について.ヌーナン症候群ではもらえない.うつや発達障害などで可能性はある.精神科の先生に相談する.自立支援医療というのもあるのでそちらを使っていく手があるのではと思います.ヌーナン症候群は知的障害の度合いにより,療育手帳が申請できない場合がある.

CFC症候群: CFC症候群の仲間がいない.

 

 

14:45 コステロ症候群・CFC症候群の成長発達と健康管理(愛知県心身障害者コロニー中央病院 水野誠司)

 

体質の違いは遺伝子による: お酒を飲める人が多いのが九州,飲めない人が多いのが名古屋など

 

症候群とは,Syn(同時に)+Drome(進む)を語義とする.

同時に影響することによって共通する体の特徴・症状・病気のなりやすいさ・身体特徴・発達特性・性格などがあらわれやすい.そういう特性を利用していくことによって,臨床医は情報を集め,共有して,役に立てて行こうとしている.

 

 

発達の遅れにかかわる遺伝子の数は,ここ5年くらいで一気に増えており,1990年ぐらいは50個以下だったのが,現在では700とかある

知的障害の原因遺伝子の診断率については,半数くらいはわかるような時代になってきた(逆に言うと,3割~半数程度はまだわかっていない)

 

なぜ健康管理が大切か.外来の診療で気を付けていることを.

 

心血管系(循環器科): コステロ症候群の80%,CFC症候群の75%

定期的な小児循環器専門医による診察が必須(超音波,心電図)

少なくとも5歳までは毎年実施していく.成人期の合併症については今後.

 

筋骨格系(整形外科):

コステロ症候群:アキレスけんの肥厚(不安定補講),側弯症

CFC症候群: 関節拘縮,胸郭の変形,頭蓋骨早期癒合症

成人期: 骨粗しょう症早発の可能性(老化に伴う症状が早めにみられる)

乳幼児期のリハビリテーションと同時に整形外科診察の開始,以後は数年ごとに実施していく

 

皮膚(患者を悩ませるもの):

薄い頭髪(散髪の回数が少ない),柔らかい皮膚,掌が柔らかい(過敏性が出やすい理由か?),黒子ができやすい,角質化しやすい,湿疹が強い,日に焼けやすい,詰めの変形がある

現時点で特化した治療はなく,一般的な皮膚科治療に準ずる

 

眼(眼科):

斜視,円錐角膜,眼振のチェック(乳幼児)

屈折異常のチェック(幼児期)

眼鏡がいるかどうかの確認

子どもになれた,小児専門の眼科医がよい!

 

歯(歯科)

かみ合わせの問題

歯並びの問題(矯正歯科医療が保険適用になることも)

 

腎泌尿器(泌尿器科,小児外科)

CFC症候群.腎泌尿器系の異常40%.水腎症,重複尿管,膀胱尿管逆流,底層

 

神経系

一般にも100人に1人はてんかんがある

コステロ症候群は約1割

一般集団よりCFCは多い

特別なことは・・・

うちの息子は,鎮静させられてなくなった.なぜ?

 

内分泌系(ホルモン系)

低血糖症(コステロのみ),低身長,二次性徴の遅延など

 

腫瘍易発生性

コステロ症候群: 20歳までに15%の固形腫瘍の発生.8~10歳までは年に3~4回腹部超音波.以後は膀胱がんの早期発見のための検尿を定期的に実施してく!

CFC症候群: リンパ性白血病など,情報収集は重要で,出血傾向がみられたときに留意すること.

 

CFC症候群の健康管理指針(AAP,2014年8月): 誰か翻訳してくれんかな

 

交流会を実施したところ,日常生活についてご両親から出る話題は下記の通りだった

食事に関すること(離乳食,ミルク,特定のものしか受け付けない),睡眠のこと(夜間に何度も覚醒,寝つきが悪い,敏感),不安が強いことなど(激しい人・場所見知り)とあるが,ある程度の年齢になると不仕事改善していく.

 

知っておきたい感じ方の違い:過敏性

触覚:芝生や砂場で建てない.砂やのりを触れない.手を触られるのが嫌い(触覚過敏)

聴覚:大きい音,特定の音を怖がる

味覚:機能異常がないのに経口摂取ができない

そのほか:強い不安など

 

ただ,これらは年齢とともに軽減するので心配いらないよ!

 

コステロ症候群: 奥はかみ合うが,手前が開いている.歯科矯正していきたい.その時の助成などは適用になるのか? ヌーナン症候群は対象だが,コステロは記述がない.コステロはヌーナン類縁疾患と説明したらよいのかな?

 

 

15:10 おでこちゃんクラブの紹介

 

 

 

16:00 閉会のあいさつ(東北大学 青木洋子):写真撮影

BADUIを集めて整理した「失敗から学ぶユーザインタフェース」が発売されました

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